2022年5月 書評テーマ【夢追い人】

こは、架空老舗書店の晴天書房。私はお店番のあんずです。

桜も舞い散り、風薫る季節になりましたね。

新年度になってから、もう2ヵ月が経とうとしていますが、4月に「夢」や「目標」を立てる人が多いように感じます。

そこで今回は、夢を追う本を2選ご紹介します。お店の常連さんに、おすすめの本を聞きました。

晴天書房の常連たち

令和の寵児、カモン! YUMMY
経済成長だけが是とは思わないけれど、なかなか突破口を見出せずに低迷する日本、国民は幸福を得られるのか?
少年漫画大好き ひかりん
夢といえば、少年漫画。特にジャンプ作品には、世代問わずわくわくさせられる。私もその一人。

 

終戦のただ中、
復興に奔走する男がいた。

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【あらすじ】 白洲次郎は、吉田茂の懐刀として、戦後焦土となった日本の復興に辣腕を振るった。GHQと政府との交渉役として、ケンブリッジ大学で学んだ英語力を駆使し「戦争に負けたからといって、奴隷になったわけではない」という矜持から、「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた活躍が描かれる。

プレゼンテーター:
令和の寵児、カモン! YUMMY
一番印象的なのは、連合国軍占領下で日本国憲法が制定されたときのいきさつ。国内の専門家の草案は却下され、連合国側のゴリ押し案に屈した憲法改正法案が衆議院で採択されたとき、多くの政治家が無念のあまり嗚咽を漏らしたという。そんな状況を知ると、憲法は日本人の知恵によって改正すべきだと思わざるをえない。

ウクライナ侵攻が報道される今日、私たちの問題として国民の一人ひとりが憲法を考える岐路にきているのではないか。吉田茂がサンフランシスコ講和条約のスピーチを英語でしようとして、次郎が日本語に書き換えたエピソードからも、日本人としてのプリンシプルを持つことの重要性を考えさせられる。

混乱の時代だからこそ、白洲次郎は活躍の場を与えられた。晩年でもイッセイミヤケの広告に起用されたくらいダンディだった。今の世も、夢を追う若者が活躍できる柔らかい土壌を、せめて私たち大人が耕しておきたいと思った。

この国に生まれたものとして、如何なる時も「日本人らしさ」を消さずに活かすことを意識したいですね。

 

友と目指した大望のため
いざ、中華統一へ

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【あらすじ】 時は紀元ーー。いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は、500年続く大戦争時代の真っ只中。苛烈な戦乱の世に生きる少年・信は、自らの腕で天下に名を成すことを目指す! !手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞の話題作。

プレゼンター:
少年漫画大好き ひかりん
中国西方の国・秦で戦争孤児の少年・信と漂は「天下の大将軍になる」という約束を交わしたが、秦王・嬴政(えいせい)の影武者として漂が殺されてしまう。亡き親友との夢を叶えるため、嬴政とともに中華統一を目指す物語。

注目してほしいのは力強い「言葉」。「誰より強くてかっこいい天下の大将軍に・・・俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる。」という信の真っ直ぐすぎる言葉に胸を打たれ、「人の持つ本質はー光だ」「中華を分け隔てなく、上も下もなく一つにする」と語る嬴政。一つひとつのセリフにリーダーとしての風格や器の大きさがにじみ出る。

彼らの覚悟や信念が込められた檄に人々が奮い立つ場面は何度見ても泣ける。後に天下の大将軍まで駆け上がっていく信と、秦の始皇帝となる嬴政。史実に沿って展開されていく物語の中で、どのように成長して、中華統一を果たすのか。現代を生きる人にも刺さる多くの名言とともに楽しんでほしい。

ビジネス書にも取り上げられる作品です!

ご紹介した本まとめ

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いかがでしたか?どちらの作品も国を思い、国のために戦うという意味では共通していますね。