奈良の8寺を巡って満願成就!「八十八面観音巡礼」

きげんよう。マダムYummyです。

 古代史の都、奈良を巡る楽しみ方のひとつに、「大和路秀麗 八十八面観音巡礼」があります。これは奈良の地で十一面観音が拝観できる8つのお寺をお参りしながら巡ることで、専用の御朱印帳が用意されています。

 私も8寺を巡礼して満願成就しましたが、この御朱印帳は旅の記念にもなりますし、有名な西国三十三所観音巡礼とはスケールは違いますが、手軽に集められる楽しさもお勧めしたいポイントです。8寺ですから、東京からなら1泊2日で十分に回ることができますよ。

秀麗な十一面観音像を巡れば、いつの世にも繰り返される疫病で苦しむ人々に、救いの手を差し伸べる仏さまたちに出会えます。あなたも、美しい十一面観音さまに会いに行かれませんか?

●なぜ、八十八面観音なの?

十一面観音を8つ回るので八十八面観音巡りなのですが、じつはこの数字には別の意味も込められています。

人間には88の煩悩があり、四国のお遍路なども八十八カ所を巡ることで煩悩から解放され、願いが叶うというもの。

また男42歳、女33歳、子ども13歳の各厄年を合わせた数が88で、すべての厄を払う数字ともいわれ、曼荼羅の八葉蓮台に見るように8は無限大で宇宙を表すなど諸説がさまざまがあります。

ま、88はありがたい数字というわけですね。

 

●まずは専用の参拝朱印帳を買う

この巡礼をスタートする際には、まず、「大和路秀麗 八十八面観音巡礼 参拝御朱印帳」を、参加するどのお寺でもいいので社務所で購入しましょう。

和綴じのノスタルジックな専用御朱印帳は500円で手に入れることができます。

この御朱印帳には、御朱印について、参拝の方法、十一面観音の功徳などの基礎情報とともに、8つのお寺の十一面観音菩薩像の美しいお写真と御朱印ページが設けられており、訪れるのが楽しみになります。

御朱印は300円で、散華の形をした専用紙でいただき、貼って仕上げました。

 

 

① 斑鳩の里「法輪寺」の穏仏

聖徳太子ゆかりの寺として知られる「法輪寺」は、飛鳥時代創建の古刹。

JR法隆寺駅から歩くと遠いので、私は車で行きましたが、法隆寺にも参拝してハシゴする形をお勧めします。

寺伝によると聖徳太子が光輝く霊木を刻み、三日三晩で造りあげたとのこと。

10世紀頃の作とあるので??年代が合わないところはありますが・・・

 

 

講堂にお祀りされる十一面観音立像は、約4mの大きな像で杉の1本造りです。

大きな目に高い鼻、厚い唇は、インドの神々に通じるエキゾチシズムがあり、穏やかな風貌から私の大好きな御仏のひとつになりました。

どれも体のバランスからみて手が長く感じられるのですが、より遠くの人に救済の手が差し伸べられるように・・・なのでしょうか。

【アクセス】
近鉄郡山駅(タクシー有)から奈良交通バス「法隆寺方面」行きで中宮寺前下車、徒歩約15分
法輪寺のHP

 

② 天平時代の面影を残す「大安寺」の雅仏

奈良市街地にある「大安寺」は南都7大寺のひとつで、奈良時代は、東大寺、興福寺と並ぶ大寺であったようで、日本の祇園精舎と讃えられたといいます。

しかし、災禍などで伽藍を消失、現在は真言宗の寺院となり病気平癒の中でも癌封じの寺として知られ、私が訪れた日も癌封じの祈祷をする方々をお見掛けしました。

だるまみくじが人気で、境内の小さな石庭に願掛けなのか参拝者がだるまを所狭しと並べている光景はこの寺ならではです。

ご本尊の十一面観音立像は、天平時代の作でやわらかに宝瓶を執ったお姿は、天衣の見事な表現と相まって優雅さを感じさせます。ぐるっと像の裏側にも回って参拝できますので、間近で拝観できますよ。

ここの御朱印は細筆ながら崩し字もきれいで8寺の中では一番好きかもです。
【アクセス】
JR奈良駅・近鉄奈良駅より大安寺行・シャープ前行・白土町行バス乗車 大安寺バス停下車徒歩10分
大安寺のHP

 

③ 藤原彫刻の気品漂う「西大寺」の慈仏

西大寺は近鉄の乗り換え駅としては知っていたのですが、お寺に関しては新春初釜大茶盛式をTVニュースで見るくらいでした。

奈良時代の創建で鎮護国家の寺として隆盛を誇ったようですが、1250年の時を経て古代寺院と中世寺院(鎌倉時代)が融合し、現在は真言律宗の総本山として法灯・由緒を伝えています。私は東門から入ったのですが入山料は無料で、本堂や四王堂に入るときに拝観料を払う方式でした。

長谷寺型の十一面観音は、ゆったりした境内の四王堂にお祀りされていて、約6mの大きなお姿で、平安時代に京都の仏師円信によって造立された藤原彫刻です。金箔が残る艶やかな観音菩薩は、優しくおっとりとした風情でお参りすると心が和みます。

西大寺エキナカには、奈良の酒蔵「豊祝」直営のお店があり、おつまみが付く「豊祝セット」500円が人気です。

【アクセス】
近鉄「大和西大寺駅」南出口から徒歩約3分
西大寺のHP

 

④ 玄昉ゆかりの「海龍王寺」の美仏

法華寺から歩いていける「海龍王寺」は、平城京の東北の角の凹みにあり、平城宮の宮廷寺院として天皇家を支えました。遣唐使として中国に渡った玄昉が、帰国船で暴風雨に襲われたときに海龍王経を唱えたところ、かろうじて命が助かったことから、水の神様として信仰を集めています。

本尊の十一面観音立像は鎌倉時代の作で、昭和28年まで秘仏とされていたため保存がよく、金箔や切金文様の装飾が美しいお姿を彩ります。私は戸張超しで特徴的な光背は見えませんでしたが、年3回の開帳期を狙って訪ねるといいですね。このお寺の国宝といえば「五重小塔」もお見逃しなく。高さ2.85mの精巧な建造物として西金堂内に安置されています。

【アクセス】
近鉄奈良駅より奈良交通バス「大和西大寺駅・航空自衛隊前」行きで法華寺前下車、徒歩すぐ
海龍王寺のHP

 

⑤「法華寺」では光明皇后似の貴仏

平城京の王宮の隣に位置する法華寺は、藤原不比等の屋敷跡に光明皇后が貧窮者の病人を治療する施薬院を設けたのが始まりとされます。

 

十一面観音菩薩立像(国宝)は、天竺(インド)の仏師が光明皇后が蓮池を渡られる姿を模して刻んだという伝承があり、榧(かや)の木肌の美しさを生かした素地仕上げとなっています。

蓮のつぼみや葉を後光のように配した珍しい光背を持ち、目鼻立ちのはっきりしたお顔、薄衣に包まれた豊満な体部など、体長1mの小ぶりな像とは思えない充実ぶりです。

夏・秋の特別開扉以外は、ご分身像の拝観となります。

【アクセス】
近鉄奈良駅から高天交差点北13番バス乗り場から、奈良交通バス「大和西大寺駅(航空自衛隊)」行きで法華寺下車、徒歩約3分
法華寺のHP

 

 

⑥ 光背が美しい「室生寺」の佳仏

奈良の山奥深くにある「室生寺」は、近鉄室生口大野駅からバスも出ているのですが、私は夫に頼んで車でドライブしながら訪ねました。

古くから女人高野と呼ばれ、水の神様としても信仰を集めてきたお寺。

山岳にある寺の御多分に漏れず、本殿や朱赤の五重塔を見るにも階段、階段、また階段で、よれよれになりながらも参拝しました。歩きやすいスニーカーをお勧めします。

お目当ての十一面観音立像は、寶物殿に納められていて日輪を表す光背の雅さの前に上品で端正なお顔立ちの仏様がすっくと立っていらっしゃいます。緑と茶の彩色が大自然を想起させ、女性的な美しさを際立たせています。

門前には土門拳ゆかりの橋本屋旅館があり、食事処で山菜定食を昼食にしました。トイレもきれいでしたよ。

【アクセス】
奈良交通バス「室生口大野駅」~「室生寺前」 室生寺前バス停下車、徒歩約5分
室生寺

 

⑦ 花の寺「長谷寺」に佇む華仏

奈良大和路の花の寺として知られる「長谷寺」は、牡丹をはじめ桜やあじさい、ロウバイなど季節を通して花々が咲き誇ります。

YUMMY
YUMMY
重要文化財に指定されている登廊は、ゆるやかな階段になっていて、なんと399段もあります。歩きやすい靴でお参りくださいね。

本堂や正堂(内陣)は初瀬山の中腹にあり、張りだした舞台造りからの眺めは最高です。

本尊の十一面観音菩薩立像は、高さ12.3mを誇る大きな木造の観音様で、何度も焼失し現在のものは室町時代の造立です。右手に衆生を救う錫杖、左手に水瓶持ってお立ちになるスタイルは長谷型と呼ばれ、長谷信仰の根本仏像としての威厳にあふれています。

【アクセス】
近鉄大阪線長谷寺駅を下車、徒歩15分
長谷寺のHP

 

⑧ 東洋のビーナス「聖林寺」の麗仏

聖林寺の十一面観音立像(国宝)は、白洲正子の『十一面観音巡礼』や和辻哲郎の「古寺巡礼」でも絶賛されている、スター級の観音様です。

 

桜井市の多武峰街道の入り口にあたる里にひっそりとお祀りされているのですが、元は大神神社の神宮寺の大御輪寺の本尊でした。


奈良時代の乾漆像の中でも最も形態の整った仏像で、フェノロサが倉庫に眠っていたこの像を見出し、その芸術的価値を激賞!納める厨子までも自身が寄進したといいます。

冬の寒い日に訪れたので、参拝者は私一人で防火扉に守られた観音堂で、金泥が残る眠るようなお顔立ち、流麗な曲線美をじっくり鑑賞することができました。その天上人を彷彿させるお姿は、東洋のビーナスと称せられることも頷けます。

【アクセス】
近鉄・JR桜井駅より奈良交通バス談山神社行き「聖林寺」下車すぐ
聖林寺のHP

 

 

まとめ

YUMMY
YUMMY
いかがでしたか?

十一面観音は、あらゆる方向に顔を向け、様々な表情をしてすべての人々の苦悩を除いてくださる仏さまです。

歴史が息づく奈良の地で、十一面観音の慈悲の御心に触れるひとときをお楽しみください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です