半日陰ってなに?観葉植物のよくある疑問にお答えします!

観葉植物疑問_アイキャッチ

むずかしい管理が少ないことから、初心者の方にも人気の観葉植物。

今回は、園芸店のスタッフだったころに、お客さまからよく聞かれていた「観葉植物の疑問」についてご紹介します。

これらを知っているだけで、「あれ、もう枯れちゃった!?」の失敗はぐっと減りますよ!

買ってきたままビニールポットで育てていい?

1観葉植物ビニールポットイメージ【写真AC】

答え)できるだけ早く植え替えてください

苗が植わっているビニールポットは、タネや苗を育てるための「育苗用」です。

鉢底で水が腐りやすく栽培には適していません。

最近では、鉢底穴が水はけのよいスリット型になっているものもありますが、どちらにしても長くは育てられないので、一回り大きな鉢への植え替えが必要です。

特に、鉢底穴から根っこが出ている場合は、鉢の中でぎっしりと根詰まりしていることが考えられますので、できるだけ早く植え替えてあげましょう。

蛍光灯の光だけでも元気に育つ?

観葉植物蛍光灯で育つ?イメージ【写真AC】

答え)「元気」には育ちません

蛍光灯は明るく見えて、曇り空の1/10くらいの照度しかありません。

うす暗いジャングルの林床でも育つ種類(アジアンタム、スパティフィラムなど)なら、ある程度は耐えるかもしれませんが、蛍光灯での栽培が長く続けば、葉がパラパラ落ちたり、茎がだらしなく徒長したりと、成長に影響がでてきます。

また、蛍光灯の光には赤外線が含まれていないことも、植物の生育に関係していると考えられています。

植物にとって、蛍光灯の光と太陽光は、全く違う光なんですね。

キレイな姿のまま、元気に育てたいのであれば、屋外の半日陰(春~秋)か、室内窓辺のレースのカーテン越しの光が当たる場所がおすすめです。

☆☆☆ ONE POINT ☆☆☆
オフィスや雑貨屋さんで、蛍光灯の光だけで元気に育っている(ように見える)観葉植物を見たことがある方もおられるのではないでしょうか。オフィスに飾られている観葉植物が元気なのは、リース植物であることが多く、植物のリース会社が定期的に交換してくれるから。日の当たらない雑貨屋さんで売られている植物がキレイなのは、見た目が悪くなった植物は処分しているからです。

ふだん陽が当たらなくても時々日光浴させればいい?

観葉植物置き場所イメージ【写真AC】

答え)置き場所はコロコロ変えないほうがよい

観葉植物は、時間をかけて置かれた環境に適応しようとします。

光の弱い場所に順応しかけたところで、急に直射日光にあてられ、また戻される、ということを繰り返すのは、植物にとってよくありません。

ただし、「昼間は窓辺」「夜は部屋の真ん中」などの移動を、「毎日」行えるなら、植物はその移動を含めた環境に順応するのではないでしょうか。

また、「春~秋は屋外」「冬は室内」という、長いスパンでの移動にも順応できると思います。

要は、植物が「環境がいいから成長しよう」「ここではちょっと成長をとめよう」と判断するのを、頻繁に変えさせないほうがよい、ということです。

園芸サイトなどでよく見る「半日陰」ってなに?

半日陰とはイメージ【写真AC】

答え)木漏れ日があたるような明るい日陰のこと。また、1日のうち3~4時間だけ日照がある場所のこと

直射日光を、1/3~1/2程度遮光した場所も半日陰といいます。

つまり、日光が直接、または長時間当たらない明るい場所、ということですね。

観葉植物は、真夏の強い日光を浴びると、茶色く葉焼けしたり、土の温度が上がりすぎて根っこが傷むことも。

真夏は、半日陰、または室内の「レースのカーテン越し」の光に当てるのが、みずみずしく、やわらかい葉っぱを保つコツですよ。

水やりは大変だから霧吹きだけでもいい?

霧吹きと水やりの違いイメージ【写真AC】

答え)霧吹きをしても水やりは必要です

水やりと霧吹きはまったく別もの。目的が違います。

水やりは、根から水を吸わせるため、土にたっぷりと与えます。

また、根から出たガスを鉢の外へ押し出す役割もあるので、鉢底から流れ出るまで、しっかりと水を流します。

土をカラカラに乾かしてしまうと、逆に土が根から水を吸いだしてしまうので、土の表面が乾いたら、水を与えるようにします。

霧吹きは、茎や葉っぱのまわりの湿度を上げるのが主な目的です。

熱帯多雨林に自生するような、多湿を好む植物(アジアンタムやシダ類)に有効です。

また、乾燥した室内では、ハダニなど害虫の予防にもなります。

霧吹きも重要ですが、霧吹きをしているかどうかにかかわらず、水やりは必ずしてくださいね。

サボテンには水やりはいらない?

サボテンにも水やりは必要イメージ【写真AC】

答え)「生育期」には水やりが必要です

サボテンなど、多肉植物には「生育期」と「休眠期」があります。

サボテン科の中でも、種類によって夏に休眠する冬型、冬に休眠する夏型、冬に休眠し夏に生育が緩慢になる秋冬型があります。

休眠期の水やりは月に1回程度、または断水することもできますが、生育期に水涸れさせると、サボテンの球体がしわしわにしぼんで、最後には枯れてしまいます。

おうちにあるサボテンの生育型が何型か分からない場合は、2週間に1回程度、土全体が湿る程度の水やりを続け、生育期だとわかった時点で、「鉢土が完全に乾いたらすぐ」の水やりに切り替えましょう。

ちなみに、休眠中に花が咲くサボテンもあるので、だまされませんように。

参考記事:暑さや寒さで枯らさない!屋外で多肉植物を上手に育てるコツとは

ミニ観葉はずっと小さいまま楽しめる?

ミニ観葉を小さいまま育てたいイメージ【写真AC】

答え)どうしても少しずつ大きくなるので挿し木などで更新を

完全に小さいまま、とはいきませんが、こまめに剪定をして、植え替え時に根を切り詰めるなどすれば「小さめ」に育てることはできますよ。

どうしても「ミニ」のままがいい場合は、育った枝や茎で挿し木(挿し芽)をして、新たな「ミニ観葉」を作るのも方法です。

その場合、もとの株は人にゆずるなど、処分することをおすすめします。

処分せずに、ミニ観葉を作り続けると、鉢がどんどん増えちゃいますよ。

ハイドロカルチャーの観葉植物はいつまでもつ?

ハイドロカルチャーいつまでもつ?イメージ【写真AC】

答え)植え方によって1シーズン~数年以上

ビー玉やゼリーを使ったハイドロカルチャー(水耕栽培)は、根っこがグラグラと不安定で長期の栽培には向きません。

ひと夏など、短期間楽しんだら、ハイドロボールやセラミスなど「ハイドロカルチャー用土」を使ったハイドロカルチャーか、土植えに戻してあげましょう。

ハイドロボールやセラミスなどで植えられている場合は、土栽培と同様、成長に合わせて鉢を大きくする(または切り詰めて大きさを保つ)ことで、ハイドロカルチャーのまま、ずっと育てることができますよ。

ただし、ハイドロカルチャー用土は、土栽培の培養土に比べてかなり高価になるので、ある程度の大きさになったら、土植えに戻すことをおすすめします。

参考記事:清潔・簡単!ハイドロカルチャーのメリットを最大限にいかして観葉植物を楽しむコツ

黄色くなった葉は肥料をあげれば緑色に戻る?

黄色くなった葉は緑に戻る?イメージ【写真AC】

答え)色が変わったらもう戻りません

観葉植物の葉が黄色くなるのは、何かのサインです。

植物が、茎と葉柄(葉の付け根)の間を遮断して、水や栄養の行き来を止め、葉を落とす準備にかかった証拠です。

水切れ、肥料不足、日光不足などで葉姿を保つことができなくなると、下葉から順番に切り離していくのです。

サインに気づいて、良好な環境に戻してあげれば、成長点から新しい芽を出して、また元気に育ってくれますよ。

元気になっても、黄色くなった葉は元に戻らないので、変色したものは切りとってしまいましょう。

観葉植物には毒があるってホント?

毒のある観葉植物ディフェンバキアイメージ【写真AC】

答え)毒がある種類はたくさんあります

サトイモ科(ディフェンバキア、クワズイモなど)や、キョウチクトウ科(パキポディウムなど)クワ科(ゴムの木など)の植物の樹液には毒があり、さわるとかぶれたりしびれたりすることがあります。

大人は、すぐ命にかかわることはないかもしれませんが、子どもや小動物(犬や猫など)は、口に入れないように注意が必要です。

また、ゴムの木などを傷つけると、白い樹液が出てきますが、それが手や床につくと、ベタベタして、水で洗ってもなかなかとれません。

室内で剪定する際は、切った枝葉をすぐに捨てられるよう袋を持って行いますが、結局、手やハサミについてしまうんですよね。

私にとっては、毒性よりも、そちらの方がやっかいです。

ちなみに、白い樹液は、植物が切り口から菌が侵入するのを防いでいる、といわれているので、切り口の液はふき取らないようにしてあげてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、園芸店でお客さまからよく聞かれていた、観葉植物の疑問についてご紹介しました。

このQ&Aで、みなさんの疑問を、少しでも解消できたらうれしいです。

観葉植物は、育てやすい種類がたくさんあるので、むずかしく考えすぎずに、お好みの観葉植物を育ててみてくださいね!

 

【出典】
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