ここ数年で、よく聞くようになった「SDGs」という言葉。
「なんのことだろう?」と思って調べてみると「持続可能な開発目標」との説明が。
ばく然としてわかりにくいですよね。
今回は、そのSDGsの基本について、簡単にわかりやすくご説明します。
私たちが、おうちでゴロゴロしながらでもできるSDGsについてもご紹介しますので、ぜひ身近なところから始めてみてくださいね!
目次
世界中で進められているSDGs
SDGsの読み方は「エス・ディー・ジーズ」です。わりとそのままですね。
意味は「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」ということですが、このままではわかりにくいので、もう少しくわしくご紹介します。
SDGsはいつどこでだれが作ったの?
SDGsは、「2030年までに、持続可能でよりよい世界をめざす」、という国際目標です。
SDGsの歴史は、1969年、世界中の有識者が「このままでは地球の環境、ヤバくない?」と問いだしたところからはじまりました。
その有識者組織「ローマクラブ」が、1972年に『成長の限界』(このままでは100年後の地球がホントにヤバイよという報告)を発表。
それを受けて、同年に行なわれた国連会議で「人間環境宣言」(環境保全のために世界のルールが必要だねという宣言)が採択されました。
この、1972年の国連人間環境会議こそが、SDGs採択への第一歩といわれています。
その後、多くの会議や宣言を重ね、ようやく2015年9月の国連本部にて、SDGsの提言にたどりついたのです。
だれひとり取り残さない取り組み
SDGsについて書かれている国連文書のタイトルは
「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(以下「2030アジェンダ」)
です。
よく、SDGsと一緒に紹介されている「だれひとり取り残さない」という印象的なフレーズは、この「2030アジェンダ」の前文にある言葉なんですよ。
ちょっと驚くのが、SDGsは、35ページもある「2030アジェンダ」の中のたった1ページ、ということ。
「他には何が書かれてるんだろう?」と、思われるかもしれませんが、ここではその「項目」だけをご紹介して、あとはSDGsに絞ってご説明したいと思います。
「2030アジェンダ」を構成する5つの要素 ・前文 ・宣言 ・持続可能な開発目標(SDGs)とターゲット ・実施手段とグローバル・パートナーシップ ・フォローアップとレビュー
SDGsの17ゴールとは
SDGsポスター(17のアイコン 日本語版)/国際連合広報センター
「2030アジェンダ」の1ページ、「持続可能な開発目標(SDGs)とターゲット」には、めざすべき17のゴール(目標)と、達成に向けたヒントとなる169のターゲットが書かれています。
ここでは、17ゴールをご紹介しますので、ご自分が取り組めそうな項目はないか、探してみてくださいね。
【SDGsの17ゴール】
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と構成をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
いかがですか?
ご興味のあるゴールはあったでしょうか。
項目だけでは、ちょっとピンとこないかもしれませんね。
では、私たちにできることを、具体的にご紹介します。
実は簡単に始められるSDGs
次は、私たちがすぐにでも取り組めるよう、国連が紹介している「ナマケモノにもできるアクション・ガイド」をご紹介します(なんてタイトル……)。
これならできる!を見つけよう
アクション・ガイドには、「バスタブ入浴より短時間のシャワーを」など、日本人には向いていない項目もあります。
ここでは、たくさんある項目の中から、私たち日本人にもできそうなものを、いくつか抜粋してご紹介しますね。
【ソファに寝たままできること】
□気候変動などの気になる投稿を見つけたら「いいね!」だけじゃなくシェアしましょう。
□使っていない電気機器は完全に電源を切り節電を。
□オンラインで「持続可能で環境にやさしい取り組みをしている企業」を見つけ、その会社の製品を選ぶようにしましょう。
【家にいてもできること】
□食べきれなかった食品は早めに冷凍庫へ。食べ物もお金も無駄にしないようにしましょう。
□紙やプラスチック、ガラス、アルミをリサイクルすれば埋め立て地を広げる必要がなくなります。
□古い電気機器や電球は、省エネ型に切り替えを。
【家の外でできること】
□規格外という理由で捨てられる野菜や果物がたくさんあります。食品ロスを防ぐためにもワケあり品を買いましょう。
□買い物でも外食でも、サスティナブル・シーフード※を選ぶようにしましょう。
※ 水産資源や環境に配慮し適切に管理されたMSC認証を取得した漁業で摂られた水産物、または環境と社会への影響を最小限に抑えたASC認証を取得した養殖場で育てられた水産物
□使わなくなった衣服や本、家具を慈善団体や図書館などに寄付しましょう。
【職場でできること】
□職場で差別があったら声をあげてください。性別、社会的背景、身体的能力に関係なく人は平等です。
□通勤は、徒歩、自転車、公共交通機関で。
□会社の備品など、生態系に害を及ぼす業者から調達していないか見直しましょう。
アクション・ガイド※には、他にもいろいろと紹介されていますが、あくまでも「提案」です。
※ 持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイド(改訂版)
提案されていること以外でも、ご自分の生活に合わせて、無理なくできそうなことから、少しずつスタートさせてみてはいかがでしょうか。
団体・企業が取り組むSDGs
日本では、すでに多くの企業や団体が、SDGsに取り組み始めています。
その中から、2つの取り組みをご紹介します。
◆上田市民エネルギーの取り組み →「ゴール7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」 南向きの広い屋根を持つ住宅が多い長野県東信エリア。自宅の屋根を貸し出す「屋根オーナー」や、屋根オーナーの屋根に自分の太陽光パネルを乗せる「パネルオーナー」の仕組みをスタート。自然エネルギーを増やすことに貢献する。
上田市民エネルギー理事長藤川まゆみさんのメッセージ:「ゴール7を達成するには、自然エネルギーを増やすと同時にエネルギーの使用量を減らす必要があります」
◆速水林業の取り組み →「ゴール15 陸の豊かさも守ろう」 違法伐採された木が流通していることから「どこから来た木材か」がわかる仕組みに注目。日本ではじめて国際機関「FSC(森林管理協議会)」の認証を取得し、適切で持続可能な森林管理であることが認められた。
速水林業代表 速水亨さんのメッセージ:「何気なく使っている木材が世界のどこかで子どもたちを苦しめていないかという意識が大切」
「持続可能」がテーマなので、これらの取り組みは、ずっと続いていくわけですね。
これらのような取り組みをしてる企業、団体を、いろんなかたちで応援することもまた、SDGsの大切な取り組みなのではないかと思いました。
「楽しみながら」が続ける秘訣
私はボランティアで、環境保全団体の広報のお手伝いしています。
「15.陸の豊かさも守ろう」に取り組んでいるということですね。
この活動は、お願いされたわけでもなく、がんばってやっているわけでもありません。
楽しいからお手伝いさせていただいて、あっという間に10年がたちました。
SDGsの取り組みは、持続可能であることが前提なので、私たち一人ひとりが、生活に上手に取り込み、習慣にすることが大切です。
自分も家族もまわりの人も、だれにも負担をかけず、無理なく続けられることを見つけて、あなたもSDGsを始めてみませんか?
まとめ
いかがでしたか?
今回は、SDGsの基礎知識と、今すぐできる取り組みについてご紹介しました。
ここまで読んでくださった方は、もうSDGsは未知の世界ではありませんね。
簡易包装のお店を選ぶ、使い捨ては使わない、電気をつけっぱなしにしないなど、簡単な事を例に挙げて、ぜひ、周りの人にも教えてあげてくださいね!
【出典】
◆『未来をつくる道具 わたしたちのSDGs』(川延昌弘著 株式会社ナツメ社 2020年10月発行)
◆「サステナブル・シーフード」とは?
◆SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン
◆2021年最新版|SDGs公式ロゴ使用法
◆持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイド(改訂版)
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