ここは、架空老舗書店の晴天書房。
看板娘のあんずと、常連で本好きの女性ライターたちが、おすすめの本を紹介します。
お店番のあんずです。
夏休みはミステリーの謎解きで。どんでん返しにワクワクしてね。
お店の常連さんにおすすめを聞いてみたよ。
晴天書房の常連たち
ミステリーの好みはミーハー マロン どんでん返しといえばミステリー!湊かなえ、宮部みゆき、東野圭吾など「名人」な作品が時々無性に読みたくなる。
夏休みは読書三昧! YUMMY 文庫本の字の小ささが嫌になって、電子書籍でQ数あげて裸眼読み。でもホテルは暗いし、休暇中も読む場所に困る。
無実の死刑を止められるか?
不朽の名作はやっぱり面白い!
【あらすじ】 妻とけんかして家を飛び出した男は、街である女と出会う。気晴らしに彼女と食事やショーを楽しみ、家に帰ると妻が殺されていた…。彼のアリバイを握る女は夢のように消え、誰も彼女を覚えていないという。冤罪による死刑が迫る中「幻の女」は見つかるのか?
プレゼンテーター:
【ミステリーの好みはミーハー】マロン
古典名作ミステリーといわれる本書は、80年も前に書かれたもの。しかも約400ページとかなり分厚め。途中で飽きたらどうしよう?と思うかもしれませんが、そんな心配はご無用!
謎めいた女との出会い、突如として起きた事件、埋まらないアリバイ、つかめそうでつかめない手がかり。
「主人公は無実なのだから、助かってほしい!」という思いとは裏腹に、迫ってくる死刑。
何しろ章のタイトルがすべて「死刑執行日の○○日前」となっているので、読者も焦らされ、どんどんページをめくってしまう、という仕組みになっております。
そしてどんでん返しは…私はかなり最後まで気づきませんでした。
「ミステリーの詩人」といわれるだけあって文章も流麗で、それ自体も楽しめます。
「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。」から始まる名文に酔いながら、ハラハラドキドキを楽しんでください!

複雑な人間関係の糸を手繰る、
クイーンの怜悧が凄い!
【あらすじ】
ニューヨーク五番街にあるデパートのショーウインドー、収納型ベッドから銃弾を撃ち込まれた死体が転がりでてきた。殺されたのはフレンチ百貨店の社長夫人で、遺留品には継子のスカーフと白い粉のついた口紅。デパートの取締役や従業員らへの尋問からクイーンが導きだした真犯人とは?
プレゼンテーター:
【夏休みは読書三昧!】 YUMMY
ハヤカワ文庫、創元推理文庫とクイーンの本は出されているけれど、私は角川文庫の新訳が読みやすく、洒脱なイラストの表紙も魅力的なのでこのシリーズを選びました。
「フランス白粉の秘密」は1930年代に書かれたクイーンの第2作で、華やかなショーウインドーの仕掛けベッドから始まります。最初に著者覚書として主な登場人物が紹介されているのですが、その数なんと32人。行きつ戻りつしながら読み進めることになります。
関係者に尋問を進めて行くに連れ、クイーンの推理が冴えわたり、アリバイや証拠を検証し容疑者を絞り込んでいくと…最後に残ったのは?えーーっ、私の思ってた人と違うやん、と見事に裏切られる結末となっています。最後の1行で犯人はキミだ!と推理を展開する最終章は、息つく暇もなく圧巻ですよ。
私は17章に出てきた探偵の道具箱が面白くて、友人に「シャーロック・ホームズみたいだよ!」と揶揄された拡大鏡に指紋検出用の粉など、欲しくなるのは私だけ?

紹介した本まとめ
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