【晴天書房】秋風が心地よい季節に…走りたくなる本 3選

ここは架空老舗書店の「晴天書房」。

看板娘のあんずと常連客が、あなたの本選びをお手伝いします。

 

 

晴天書房の常連たち

ユミー
走ることより、歩くことの方が好き。まっすぐより、くねくね寄り道が好きで晴天書房とも出会った。教育費やローンから解放され、遅ればせのセレブ生活を始める。

マロン
運動は苦手、特に走るのは大の苦手で、運動会の徒競走は苦痛でしかなかった。でもスポコンのマンガや小説は嫌いじゃない。

ぐっち
走るのは、もっぱら短距離派!一瞬の中に永遠を探したいタイプ。『閃光少女』の歌詞のように生きたい。

 

こんな常連さんたちイチオシの「走りだしたくなる本」はこちら!

「村上春樹 作家(ランナー)
少なくとも最後まで歩かなかった」
と墓碑銘に刻んでもらいたい。

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村上春樹は、ハルキストと呼ばれる熱烈なファン層を持つ作家。私はハルキストではないけれど、デビュー作の「風の歌を聴け」や「ノルウェイの森」ぐらいまではよく読んでいた。本作は、村上春樹自身が走ることについて書いたエッセイで、2005年のハワイ州カウアイ島から始まり東京、マサチューセッツ州ケンブリッジ、北海道サロマ湖、ニューヨークと生活しながら走り、小説を書く様子が綴られている。
「僕自身について語るなら、僕は小説を書くことについての多くを、道路を毎朝走ることから学んできた。自然に、フィジカルに、そして実務的に。どの程度、どこまで厳しく追い込んでいけばいいのか?どれくらいの休養が正当であって、どこからが休みすぎになるのか?(中略)どれくらい自分の能力を確信し、どれくらい自分を疑えばいいのか?」村上春樹は、思い立って長距離を走り始めなかったら、作品はもっと違ったものになったのではないかとも語っている。
世界中の路上で毎日約10kmを走り続けることで、長編を書き続ける持久力をも養ってきた。世界各地でフル・マラソンやトライアスロンの大会に出場し、自身の限界と向き合って走り切ることに意味を見出している。「走る小説家」と並走しながら読むほどに、彼の真髄に触れる気がする。

あんず
あんず
村上作品の「やれやれ系主人公」が、こんなにストイックな生き方から生まれているとは…!

 

 

自分を変えるため、
何かを伝えるため、走る!

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ポプラ社
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私が紹介するのは「自転車で」走りたくなる本。サイクリングロードが有名なしまなみ海道が出てくる物語です。
東京で学級崩壊のクラスに通う小5のダイスケ。学級委員の彼は先生と同級生の板挟みになり不登校になった結果、2学期だけ母の故郷・広島県松永の小学校に通うことになります。祖母の幼なじみのおじいさんや新しい友達と交流するうち、同じ学級委員で突然引っ越してしまった女の子に伝えられなかった言葉を告げに行く決心をするダイスケ。引っ越し先は愛媛県今治市。連れて行ってもらったおじいさんの車が途中で動かなくなったことから、レンタサイクルでしまなみ海道を疾走することになります。
中島京子さんの文章は、どんな状況を描いていても飄々としてクスッと笑ってしまうところが好きなのですが、そんな特徴がよく表れたお話。登場人物も皆、瀬戸内の天気みたいにカラッとした人ばかりで、主人公もウジウジ悩んでばかりいられない、とばかりどんどん行動的になっていくのが小気味よいのです。そしてクライマックスの大冒険!海の上を自転車で走る爽快感と、何かを成し遂げるため突っ走る爽快感。私もどこかへサイクリングに行きたいなーなんて気分になった小説でした。

あんず
あんず
前へ前へ進んでいく主人公に触発されて、読後はやる気スイッチオン!な予感。

 

若者の疾走感にしびれる!
あの頃の“アツさ”が蘇る一冊

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あまりにもうれしくて、声が喉もとにつっかえる時がある。自分では制御できない感情が体の中に起こった時だ。この感情を「力」に置き換えると、この作品を読んだ時の感覚がわかってもらえるかもしれない。
この物語の主人公・矢崎剣介は九州の進学高校の三年生。この学校のマドンナである松井和子の、「私はバリケードするような人が好き」という言葉から、仲間たちと一緒に学校をバリケード封鎖することを計画する。時は1969年。大学では学園闘争の激化していた年だが、剣介にあるのは思想ではなく、ありあまるエネルギーと、手に余る性欲、それから教師に対する反抗心だけである。
大人から見れば子どもで、教師から見れば生徒で、否応なしに抑圧された、それでいて反抗心だけは人一倍強い、高校生という熱い一時期。この小説は、自らを縛る多くのものと対峙し、かつ乗り越えようとする若者のエネルギーに満ちている!
無鉄砲でがむしゃらで、欲求にストレートに駆け抜ける彼らの姿は、読み手にある種の高揚感を与えてくれるにちがいない。

あんず
あんず
著者の村上龍は「こんなに楽しい小説を書くことはこの先もうないだろうと思いながら書いた。」と言ったとか。

 

紹介した本まとめ

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