ここは架空老舗書店の「晴天書房」。
看板娘のあんずと常連客が、あなたの本選びをお手伝いします。
晴天書房の常連たち
占い、風水、どんとこい! ぐっち
大掃除のギアを上げるために宝くじを買う運だめし好き。きれいになって運気も上がるなんて一石二鳥ね💛
手づくり好きママ マロン
占いや運勢はあまり信じないものの、なぜか何をやってもうまく行かない「アカン日」の存在は固く信じている。
上機嫌でいこう ヤミー
運がいいとか、悪いとか、あまり考えないで、あるがままを受け入れるのが正解の気がする。

日本全国81の酒蔵を巡って、
ほろ酔い気分で満願成就を!
みなさん、年末年始はお酒を楽しみましたか??飲むのも贈るのも楽しい日本酒ですが、もうひとつ「集める」楽しさを提供してくれるのが「御酒印帳」です。これは御朱印帳の日本酒版で、全国81箇所の公認酒蔵を巡り、その登録銘柄のラベルを貼って集めるというもの。ここには各酒蔵のこだわりやその地域の風土が詳しく掲載されているので、醸される土地と日本酒の密接なつながりがわかり、実際に訪ねて現地の料理とともに味わいたい気持ちにさせられます。(以前、旅先で入った温泉の湯ざわりと特産の焼酎の口あたりがよく似ていたことを思い出します)
それにしても、各銘柄紹介で語られるワードのなんとそそることか!「生牡蠣との相性がバツグンに良い事から“東洋のシャブリ”と呼ばれています」(一品)、「元祖「米のシャンパン」」(月の桂 大極上中汲にごり酒)、「バナナの香り、リンゴのような風味、鼻に抜ける香りはバラ」(三日踊 純米吟醸 山乃かみ酵母)など、想像力をかきたてる表現に、うっとりさせられることうけあい。日本酒度なども書かれてあるので、好みの味が見つけやすいのもポイントです。
読むだけで酒蔵巡りをしている気分が味わえる本書。コロナ禍があけたら、満願成就をめざして日本酒行脚に出かけてみませんか?

閉塞感から抜け出したい
と思ったとき力をくれる本
生きていれば誰もが感じる、世間のしがらみ、変わらない毎日、変われない自分、という閉塞感。特にこのコロナ禍で、よりうつうつと悩んでいる人も多いのでは?この物語の主人公も、そうした閉塞感を感じている二人の女性です。
人間関係がイヤで仕事を辞めたものの、出産を経て今度はママ友の輪に入れない自分に悩む小夜子。会社を立ち上げ思い通りに仕事をしてきたけど、部下との折り合いが悪く行き詰まりを感じている葵。二人の出会いと友情は、葵の意外な過去が明らかになることで亀裂を生じ始め…。とネガティブな心理も描かれる物語ですが、私が開運ポイントだと思うのは小夜子が葵に出会い、働き始めることで見せる変化です。
もう一度働くのが本当にいいことなのかと悩んでいたのに、仕事で体を動かすうちに不安が消え、頭が真っ白になっていく小夜子。くどくど考えていた不満を葵や仲間に愚痴ったり、口に出して相手に伝えた途端、深刻な悩みも笑い話になっていきます。思いを内側でくすぶらせず、行動したり言葉にするだけで、世界はずっとシンプルに生きやすくなる。そんなことに気づかせてくれる小説。ねちねちとした悩みに憑りつかれている方はぜひ読んでみて。

なにもかも上手くいかない。
私は運が悪い!?と思ったらコレ。
私が仕事でタクシーに乗るときは、ナビで道順を確かめながら、車の中で企画の切り口を考えたり、車窓からぼーっと街並みを眺めていたいので、お喋りが過ぎる運転者は好きじゃない。しかし本作のタクシーの運転者はよく喋る。
お客は証券マンで、失敗続きで仕事も子育てもうまくいかず行き詰っていて、「運がいい人生なんて俺の人生とは無縁だね」とつぶやくと、「そうですか、そんな人の運を変えるのが僕の仕事です」とタクシーを走らせながら、運転者は答える。「どんな仕事だよ、それ」と客が尋ねると、「だから、最初から言ってるじゃないですか、私はあなたの運転者だって」。
なるほど、このタクシーは運を転じるきっかけを与えてくれて、乗った人を幸運に導く場所に降ろしてくれるというのだ。その運を手にするか、スルーするかはその人しだい。「機嫌が悪い人は最高の運気がやってきている場にいても気づかないでイライラして、早くその場を立ち去りたいとばかり考えるんです。運を手に入れるにはいつも上機嫌でいることです」と。なるほど、視点を変えるだけで日々の幸運に気づかされる。コロナ禍の現在は、嘆いてばかりいないで運を転じる好機かも知れない。

紹介した本まとめ

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