外乗(がいじょう)とは、馬に乗って自然散策を楽しむアクティビティのこと。
本格的な乗馬とは違い、気性のおだやかな馬たちに乗って、歩きやすい散策コースをお散歩するので、初めての方でもすぐに楽しめるんですよ。
乗馬中は、周りの人と距離があるので、密になりにくいのもうれしいところ。
感染症対策をしっかりとって、やさしい馬たちに会いに行きませんか?
目次
外乗に必要なのはこれだけ!
「乗馬」というとハードルが高いイメージがありますが、「外乗」なら、初心者向けのコースがたくさんあり、必要なものはレンタルできるので、初めてでもすぐに楽しめるんですよ。
まずは、服装や持ち物、乗馬クラブの選び方についてご説明します!
外乗を楽しむための服装
外乗の服装は、乗馬クラブによって様々です。
乗馬用のキュロット、ブーツなど、すべてをレンタルしてくれるところもあれば、訪れたままのスタイルで、ラフに乗せてくれるところもあります。
乗馬クラブから特に指示がない場合は、動きやすく「シンプル」な服装がいいですよ。
馬は警戒心が強く、急に動くものに驚いて跳ねることがあるので、風でヒラヒラしたり、バサバサと音がする服装は避けましょう。
なお、乗馬クラブによっては、ジーパンを推奨していないことがあります。
長時間、馬にまたがっていると、摩擦で内ももからヒザの辺りが赤くなることがあるからです。
慣れないうちは、ジーパンは避けるのが無難かもしれませんね。
クツはくるぶしまであるような、脱げにくいものがおすすめです。
私は、初めての外乗で、浅いクツをはいて行ってしまい、途中で落としてしまわないかとヒヤヒヤしました。
☆☆☆ ONE POINT ☆☆☆
草原や海岸のコースでは強い陽射しに当たり続けることがあります。また、雨の外乗では体が冷えてしまうことも。長時間のコースを申し込む際は、暑さ対策、寒さ対策について問い合わせておくと安心ですよ。
外乗に必要な持ち物
外乗に必要なものは、乗馬クラブでほとんど借りることができます。
こちらで用意するものは、帽子、手袋、天気によっては上着やレインウェア、くらいでしょうか。
私がよく行っていた乗馬クラブでは、それらでさえも貸してくれましたよ。
もし、手袋を用意されるなら、手綱(たづな)を握ったり、馬をなでたりするので、革製、合成皮革製など、しっかりしたものがあるといいですね。
馬とのふれあい方によっては、ドロッドロになりますが(笑)。
☆☆☆ ONE POINT ☆☆☆
初心者の方の場合、はじめに馬に乗るときには踏み台を使います。踏み台なしで乗りおりするのはむずかしいので、外乗の途中でおりることはほとんどありません。帽子やスマホ、カメラなどはストラップをつけるなどして、途中で絶対に落とさないように注意しましょう!
乗馬クラブの選び方
Photo by kii watanabe 乗馬クラブリーフ
私が乗馬クラブを選ぶときに見るのは、時間、料金、外乗コース、装備、乗馬クラブの雰囲気です。
【時間】
60分、90分、120分~、など幅広いプランがあるか
→利用者のレベルやニーズに応えてくれる姿勢があるかをチェック!
【料金】
相場から大きくはずれていないか
→60分9,000円、90分12,000円程度から大きくずれていないかをチェック!
【外乗コース】
森、山、湖、海など、100%自然の散策かどうか
→以前、車道を歩くようなコースもあって車が怖かったので……。
【装備】
ボディプロテクターなど、装備に厳しすぎないか
→もちろん、つけている方が安全ですが、私は、帽子と手袋だけで気軽にのせてくれるところが好きです。ホームページなどで外乗写真をチェックします。
【乗馬クラブの雰囲気】
馬が大切にされているか、スタッフ同士の雰囲気が良いか
→スタッフの方が親身に対応してくれるかどうかで外乗の楽しさはずいぶん変わります。SNSで情報を発信している乗馬クラブは、雰囲気が分かりやすいですね。
ちなみに、外乗で「しまった……」と思ったことについては、最後の章でご紹介しますので、そちらもぜひ、乗馬クラブ選びの参考にしてくださいね。
☆☆☆ ONE POINT ☆☆☆
乗馬には「ウエスタン」「ブリティッシュ」という2つのスタイルがあります。外乗に、どちらのスタイルを取り入れているのかは乗馬クラブによりますが、どちらを選んでも、外乗の前に簡単なレッスンをしてくれるので、申し込みの際にはあまり深く悩まなくても大丈夫ですよ。
馬に揺られて森へお散歩
Photo by kii watanabe
次は、実際の外乗の流れを見ていきましょう。
乗馬クラブによって多少は違いますが、だいたいこんな感じです!
まずは受付・準備・ミニレッスン
外乗では、別のグループと一緒に出発することもあるので、時間には余裕をもって行きましょう。
乗馬クラブに着いたら、まず受付をすませます。
手続きが終わったら、着替えて馬場へ集合します。
時間になったら、実際に馬に乗って、操作のレッスンをします(たま~に木馬でレッスンするところも……)。
馬に乗ったら、「よろしくね」と首の辺りをなでたりするんですが、馬の体はすごく温かくて、めちゃくちゃ癒されるんですよ!
そして、初めて「こちらに曲がれ」の指示どおりに動いてくれたときには、もうホントに抱きつきたくなりました。
ただし、馬にとって、このミニレッスンは「いつものこと」なので、騎乗者の指示より先に、さっさと動いてしまうことがあります。
そうならないよう、騎乗者は「今日は私の指示に従ってね」と、しっかり指示をおくるのがいいそうですよ。
馬は乗ってる人を見て判断し、道草したり立ち止まったりするので、はじめにリーダーシップをとることが大事だそうです。
ちょっとドキドキ!森へ出発
馬場でのレッスンが終わったら、スタッフの方を先頭に、縦一列に並んで出発です!
私のお気に入りは「森」のコース。
Photo by kii watanabe 乗馬クラブリーフ
木漏れ日の中、鳥の声を聴きながらの森散歩は、日常とはまったく別世界です。
季節によってはシカやフクロウがいたり、キツネの赤ちゃんがお散歩についてきたこともあるそうですよ。かわいいですね!
ただし、森の中には危険もいっぱいで、木の枝が散策路にはり出していることも。
馬は低い枝をよけて通りますが、乗っている私たちの分まで計算してよけてはくれないので、高い枝は自分たちでよけながら進みます。
雨でぬかるんだ場所や倒木の上など、「ほんとに大丈夫……?」という場所もありますが、馬たちは上手に超えてくれるんですよ。
そんなふうにドキドキしながら、山道を登ったり下ったり、川を渡ったりと散策を楽しんで、あっというまに2時間のコースが終わってしまうのです。
お散歩あとは馬とふれあいを
Photo by kii watanabe 乗馬クラブリーフ
外乗が終わったら、「ありがとう~!!」と馬の首や背中をなでて感謝を伝えます。
そのあと、スタッフの方が、馬たちにお水をあげたり鞍(くら)をはずしたりとお手入れをするので、写真を撮ったり、さわったりしたいときは、スタッフの方にタイミングを確認してみましょう。
Photo by kii watanabe 乗馬クラブリーフ
乗馬クラブによっては、外乗後、ふれあいの時間を十分にとってくれることもありますよ。
私のお気に入りの乗馬クラブでは、乗馬クラブの中を自由に見学させてくれたり、飼われている犬たちと遊んだり、オーナーのご夫婦とお話ししたりすることができるんです!
Photo by kii watanabe 乗馬クラブリーフ
Photo by kii watanabe 乗馬クラブリーフ
この時間がとても楽しくて、北海道へ行くときは、毎回必ずおじゃましていました。
アットホームな雰囲気が懐かしいですね。また、行きたいです!
みなさんも、いろんな乗馬クラブで外乗を楽しみながら、「居心地がいいな」と思う乗馬クラブを見つけてくださいね。
外乗での失敗談をご紹介
いい乗馬クラブに巡り会いたくても、行ってみないと分からないこともありますよね。
ここでは、私が「失敗した!」と感じたできごとを3つ、ご紹介します!
初心者のうちは「乗り放題」に注意!
インターネットで外乗できる乗馬クラブを探していたところ、「1泊2日1人19,800円で馬に乗り放題!」という広告を見つけました。
いつも120分の外乗で「ものたりない!」と思っていたので、さっそく申し込み、いざ乗馬クラブへ。
ところが、外乗ばかりを繰り返し、きちんとしたレッスンを受けたことがない私は、乗り方にクセがあり。
その乗馬クラブでも、きちんと教えてくれるワケではなかったので、どんどん足やら腰やらが痛くなってくるんですよね。
1日目に痛んだ体は、2日目もつらいまま。
結局、ほとんど楽しむことができませんでした。
乗り放題は、上手に乗れるようになるまで、お預けです。
「写真撮りますよ~」に注意!
ある乗馬クラブで外乗に出るとき、「カメラをお持ちならこちらで撮りますよ」とスタッフの方に声をかけられました。
馬上で撮ると危ないしブレやすいので、ありがたいな、と思いカメラを渡したら、撮ってくれていたのは、なんとたったの3枚だけ。
あとは、乗馬クラブ側のカメラでいろんなシーンを撮りまくり、終わってからハガキに加工して売りつけられました。
買わなければいい話なんですけど、自分のカメラには3枚しかないし、2枚だけ買っちゃったんですよね。
これからは、カメラを取り上げられても、スマホは見つからないようにしよう、と思いました。
海岸を走るコースに注意!
外乗で「海岸を走るコース」を申し込んだことがありました。
海に入るコースではなく、海岸を走るコースです。
なのになぜか、私が乗っているお馬さんは、海へ海へと入っていくんですよね。
途中までは、必死で海岸へ戻るよう操作しましたが、馬のお腹が海面につくくらいまで入ってしまうと、もう全然言うこと聞かなくて。
Photo by kii watanabe
はじめは笑っていたスタッフの方も、途中から、すごいけんまくで馬の名前を呼び叱りはじめ、やっと海岸に戻ってくれました。
後で聞くと、その馬は海で寝転ぶクセのある子だったそうです。
スタッフの方は、途中でそれを思いだして、大声で呼び戻してくれたんですね。
というか、もうちょっと早く戻してくれたら……。
周りの釣り人たちに笑われながらの、かなり恥ずかしい外乗となりました。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、密にならない大人のアクティビティ「外乗」をご紹介しました。
大人になると「動物の背中に乗る」という体験はなかなかレアですよね。
きっと、「四足歩行ってこんな感じなんだ!」「こんなに大きいのにめっちゃやさしい」と、はじめての感覚を楽しめますよ。
感染症対策をしながら、気分転換に、ぜひ馬たちに会いに行ってみてくださいね!
【データ】
◆カナディアンキャンプ北海道「乗馬クラブリーフ」
【住所】
〒059-1365
北海道苫小牧市植苗565-1 イコロの森内
【送迎】
・新千歳空港、JR新千歳空港駅から無料送迎あり
・千歳市内のホテル(支笏湖温泉街は除く)への無料送迎あり
※2021年6月現在 ホームページより
【出典】
◆『乗馬ライフ』vol.199 2010年8月号
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