簡単!お金をかけない美容法 2
「洗顔美人」になろう!

◆第二回「最大の課題は洗顔」

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肌アレの原因は、「ダメ洗顔」という事実

第二回目は、毎日の「洗顔」がテーマです。実践的な話をする前に、なぜ、洗顔がスキンケアにおいて最大の課題なのか、を説明します。実践の前には「正しい知識」が必要です。同じ動作をするにしても、その動作の目的や理由がわからなければ、よりよく行動できないものです。
そして、多くの人がなんとなくしている「洗顔」という美容のための行為が、実は肌アレの多くの原因をつくっていることを知ってほしいのです。

 

どんな人の肌にも、「美肌菌」が住んでいる

お腹の調子を整えるヨーグルトには、乳酸菌が含まれています。長年の研究で人間の腸には、多くの腸内細菌(腸内常在菌)が住んでいて、腸内環境を整え、さらには全身の健康と深い関わりがあることが解明されています。この腸内細菌には、お互い同士のちょうどいいバランスがあります。バランスがよい状態が、お腹の調子がいい状態です。そのバランスを助けてくれるのが腸内細菌の一種である乳酸菌というわけです。
腸内と同じように、肌にも複数の「皮膚常在菌」が住んでいます。顔だけではありません。全身の皮膚にくまなく住んでいます。部分によって、多少、住んでいる菌の種類は異なりますが、それぞれの菌がバランスよく存在していると、肌の調子がいい状態です。これは腸内細菌とまったく同じことです。

皮膚常在菌の中には、美肌をサポートする菌がいます。人間の汗や皮脂をエサにして、弱酸性の天然のベールをつくります。この天然ベールが、肌のうるおい感、しっとり感をつくっています。うるおいがある肌は、見た目にはキメが整い、均一でなめらかな印象を与えます。キメが整った肌は、よく磨かれた鏡のようなに光を反射して、明るく色白な印象を与えます。元来、肌には自らでうるおい、肌の中の水分の蒸発を防ぎ、さらに外部からの刺激に負けないバリアをつくる機能があります。小さい子どもの肌がスキンケアをしなくても、そのままで美しいのは、肌の機能や代謝が良いこともありますが、この常在菌の働きも大きく関わっています。

 

日々の洗顔で、「美肌菌」が失われる

しかし、この皮膚常在菌は、残念なことに、顔を洗うことで数が減ってしまうのです。毎日の朝の洗顔、夜のクレンジングと洗顔によってです。肌を美しく保つために働いている、かしこくて非常に有能な菌を、多くの人がその存在も知らないまま、洗い流しています。しかも、1日に2回も。さらに、洗顔料を使えば、皮膚常在菌だけでなく、皮膚常在菌の大切なエサである皮脂も落とすことになります。

 

美肌のために気をつけて欲しいのは、皮膚常在菌や皮脂をむやみに減らさないことです。また、肌をこするなどの「摩擦をしない」ことも、とても大切です。洗顔がなぜ、肌アレの原因になるかというと「皮膚常在菌が減る」「必要な皮脂が減る」「摩擦が起こる」という肌への大打撃を伴う行為だからです。もちろん、洗顔は、肌の汚れや不要皮脂を落とし、清浄な状態に保つために不可欠なスキンケアです。大事なのは、洗顔のメリットと同時にリスクを知ること、そして、自分の肌を傷つけるような洗顔をしないことです。

 

洗顔から、美肌菌と皮脂を守る方法

まず、洗顔で最初にやるべきことは、「ふわふわの清潔なタオル」を用意することです。誰も手や顔を拭いていない、汚れていないタオルです。ふわふわでないといけない理由は、摩擦を抑えるためです。顔の水気を取るときは、こすって「拭く」のではなく、タオルに顔を「うずめる」感じで使ってください。
柔軟剤を使うと肌触りはよくなりますが、水分を素早く吸い取るという意味ではおすすめしません。柔軟剤はその成分で繊維をコーティングすることにより、なめらかな質感にしますが、水分の吸収が悪くなるので洗顔用には不向きです。一番おすすめできるのが、毛足が長く、パイルが多いタオルを、乾燥機を使って乾燥させる方法です。1本1本のパイルが、乾燥機の熱でほぐれて膨らむことにより、ふわふわになり水分の吸収がよくなります。

次にすることは「手をハンドソープで洗う」です。人間の手は、正直、かなり不潔です。気付かないうちに、さまざまなところを触っているので、手の平はいつも汚れていると思っておいた方がいいでしょう。手を洗って、手の平の皮脂や汚れを落としておけば、清潔になることはもちろん、洗顔料の泡立ちや泡の持ちもよくなりますし、洗顔料の節約にもなります。

次にポイントになるのが「ぬるま湯の温度」です。寒い冬は、ついつい熱いお湯で顔を洗いがちですが、必ず体温に近い35℃前後のぬるま湯で洗ってください。ぬるま湯を使った方がいいことはわかっていても、やっぱり冬は寒い、という場合は、洗顔前に40℃くらいのお湯で手だけを温めます。顔の皮膚は全身の皮膚の中でもかなり薄いため、手は耐えられても、顔の皮膚は耐えられません。必要な皮脂を落とすことは、直接的に乾燥の原因になることはもちろん、皮膚常在菌の大切なエサを失うことになります。

洗顔料を毎回使うかは、あなたの肌次第

特に朝に関して「洗顔料は毎回使うべきか?」という疑問を持つ人も多いでしょう。
朝、起きて肌がテカテカするようなら、しっかりと泡立てた洗顔料でTゾーンを洗ってください。このとき、頬や目元からは、ぜったいに洗わないでください。肌に洗顔料をのせる時間が長いほど、その部分は脱脂されてしまいます。洗顔は必ず皮脂が多い部分から泡をのせ、乾燥が気になる部分は最後か、洗顔料はのせなくても大丈夫です。
反対に、朝起きて肌がテカテカしていないなら、無理に洗顔料を使う必要はありません。肌をこすらないように、ぬるま湯でやさしく洗い流すだけでいいでしょう。ただし、洗い流すぬるま湯は、洗顔料のあるなしに関わらず、どんなときも必ず「流水」で。常にきれいな状態のぬるま湯が肌にあたるようにしてください。

 

自分の肌にある、小さな世界を思う

洗顔のポイントは、とにかく自分の肌に「皮膚常在菌」が住んでいるということを知り、知ったうえで、大切に扱うことです。普段は気にもとめていない「小さな世界」で、自分の肌が守られていることを知りましょう。私たちは意識していないだけで、実は、私自身という「生き物」を飼っているようなものなのです。どうすれば元気になるか、どうすればもっとイキイキとするのか。ペットを飼っている気持ちのように、自分の肌を思いやってあげてください。

◆次回の第三回では、「クレンジング」を紹介します。特に乾燥がひどい人は、保湿のスキンケアを頑張る前にかならずクレンジングと洗顔を見直してください。選ぶべきクレンジングや洗顔の種類も紹介します。