文豪たちのオモシロ恥ずかしエピソード!『文豪失格』をご紹介

文豪失格_アイキャッチ

天国を舞台に、日本の文豪たちの、おもしろ・はずかし・やらかし(!?)エピソードを痛快に描いたコミック『文豪失格』。

少しネタバレを含みながら、その見どころやあらすじをご紹介します!

『文豪失格』の見どころ・おすすめポイント

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まずは、近代文学に興味のなかった私が「この本、めっちゃおもしろい!」と思ったポイントをいくつかご紹介します!

ここに惹かれた!『文豪失格』の魅力

読み始めてすぐに思ったことは、絵がきれいだな、ということ。

ギャグコミックなので、多少くずれる箇所もありますが、基本的にはとても読みやすいです。

作中では、文豪たちの生前の作品が紹介されていますが、インパクトのある部分をチラ見せされるので、ものすごく続きが読みたくなります!

私は作中の、「川端康成『雪国』featuring宮沢賢治」(実話ではありません)で、最後に芸者が銀河の彼方に消える話を見て、思わず『童話集 銀河鉄道の夜 他十四編』(宮沢賢治作/谷川徹三編)を買っちゃいましたよ。

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(文庫本も出版されています)

近代文学が苦手な受験生にもおすすめ

ストーリーは始終ギャグタッチで進みますが、実はきちんと監修の先生がついているんですよ。
※ 日本文学研究者・横浜国立大学教授一柳廣孝さん

「どこまでホントなんだ……」と思う話もいくつかありますが、エピソードには出典や注釈がついていることが多いので、実話かどうかが判断できます。

もし、近代文学史が苦手で困っている学生、受験生の方がおられたら、息抜きに読んでみてはいかがでしょうか。

文豪も作品も、すぐに覚えられますよ(笑)!

文豪との距離がグッと縮まる!『文豪失格』の内容とは?

次は、『文豪失格』に登場している8人の文豪と、物語のあらすじについてご紹介します。

登場人物をキャラクター別にご紹介

文豪たちを『文豪失格』でのキャラクター別にわけると、こうなります!

【問題児キャラ】
太宰治◆太宰治
いまだに自殺願望があり天国でも「死にたい…」と陰気なようすを見せる。天敵は中原中也。生前同様、何かと絡まれるが、中原の「ちょっと恥ずかしいポエム」を見て笑うことで元気になる。

◆中原中也
生前は酒グセの悪さが有名で、酔って太宰宅に乱入したことも。天国では一滴も飲んでいないのに太宰に暴力を振るうシーンが多数あり。

◆谷崎潤一郎
第一話で「いたぶられるのが大好きといういさぎよい変態」と紹介される。生前はメス猫しか飼わずどうやら猫を女性に見立てて小説を書いていたらしい。

【天然キャラ】
芥川龍之介
◆芥川龍之介
夏目の熱烈な弟子。天国では、近代の「ライトノベル」の書き方を、自分より時代の古い夏目に問う天然ぶり。原稿が書けなくなると誰かに絞め殺されたくなる「『歯車』症状」が起こる。
※  「僕はもうこの先を書きつづける力をもっていない。(中略)誰か僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?」芥川龍之介『歯車』より

◆泉鏡花
極度の潔癖性でコミックでの初登場は防毒マスク姿。生前は生肉を食べず酒も沸騰させた熱燗しか飲まなかった。生前も天国でも、なぜか面識のない夏目にお金をもらいに来る。

◆川端康成
生前、太宰を芥川賞に推さなかったことで太宰に目の敵にされる。生前の作品にはボーイズラブだけでなくガールズラブもあり、天国で他の文豪たちを驚愕させる。

【癒しキャラ】
夏目漱石
◆夏目漱石
『文豪失格』で一番の常識者。実は犬派で飼い猫には名前すらつけず「ねこ」と呼んでいた(実話)。飼い犬は「ヘクトー」と名付けてかわいがった(実話)。

◆宮沢賢治
天国ではおだやかで癒し系だが、彼の死後大量の春画が遺品として見つかり、生前「草や木や自然を書くようにエロを書きたい」と友人に語っていたことが判明。

以上、『文豪失格』の中で描かれている文豪たちの愛すべきキャラクターをご紹介しました!

『文豪失格』のあらすじ

『文豪失格』には、天国の文豪たちのエピソードが、7つ掲載されています。

ここでは、各章ごとのあらすじを、簡単にご紹介します。

【第一話】文豪、アキバへ行く
天国ではやっている「ライトノベル」を学ぶため「アキバ」へ向かう夏目、芥川、泉、谷崎。メイドカフェのネコ耳少女を見て「百鬼夜行か……!?」と困惑する夏目に対し、芥川は得意分野の予感が。
※ 幼いころから怪奇幻想の世界に惹かれる

【第二話】文豪、ラジオで生激論
ラジオ番組で滝沢馬琴、清少納言など世代を超えたリスナーからの質問に答える夏目、芥川、泉、谷崎。谷崎の女性差別的な発言にリスナー平塚らいてうからクレームをうける。

【第三話】文豪、締め切り前
夏目・芥川・泉・谷崎を担当する天国出版の新人編集者のエピソード。原稿を集めにまわるも、芥川・泉・谷崎には「脅し」「罠」「嘘」で逃げ切られ、夏目の原稿は、夏目の過去作品をひとつも読んでいないことを理由に取り上げられる。

【第四話】文豪、芥川賞の恨み
生前、芥川賞を逃したのは選考委員だった川端康成のせいだと恨む太宰。川端は太宰からの恨み節の手紙をみんなに披露。その内容に、被害者は川端のほうだと認定される。

【第五話】文豪、婚活をする
生涯独身だった宮沢賢治を、婚活パーティへ連れ出す太宰。意外と女性にモテている宮沢に嫉妬した太宰は「かわいい童話を書いてるけど家では春画ばかり見ている」と暴露する。

【第六話】文豪、逃走中
締切りに間に合わず逃げ惑う文豪たちを容赦なく追い詰める天国出版の編集長。執筆を押しつけ合う文豪たちを「地獄に落とすぞ」と脅すも、ドMな谷崎は、おしおきをめあてにわざと締切りをやぶる。

【第七話】文豪、ラジオで生激論2
ラジオ番組で平塚らいてうからの「皆さんが書いた女性が主役の話は?」という問いに『女生徒』(太宰)や『乙女の港』(川端)など改めて読むと恥ずかしい作品たちが次々と紹介される。

このようにして、文豪たちの性格やライバル関係、今読むとちょっと恥ずかしい作品などを絡めながら、ストーリーは軽快に進むのです!

まとめ

いかがでしたか?

今回は、文豪たちがお互いをディスりあいながら、天国で執筆活動に励む姿を描いた『文豪失格』をご紹介しました。

天才・奇才といわれる文豪たちも人の子なんだなぁ、と思える生前エピソードが満載で、私は、読む前よりもずっと文豪たちを身近に感じるようになりました。

皆さんも、この『文豪失格』を読んで、近代文学や文豪たちに思いを馳せてみてくださいね。

思いがけず、眠っていた文才が花開くかもしれませんよ!

【データ】
『文豪失格』

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◆著 者:千船翔子
◆原 作:AIR AGENCY・フロンティアワークス
◆監 修:一柳廣孝
◆発行所:株式会社実業之日本社
◆発 行:2015年12月

続編もおすすめです!

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