「夫婦別姓」待ちくたびれたので「旧姓併記」やってみた件。

ごきげんよう。マダムYummyです。

結婚したのは30年前、ずっと仕事をしてきでしたので、姓が変わると困ると考え、結婚も挙式はしたものの入籍はせず事実婚でした。それからずっと選択制夫婦別姓法の成立を待っていたのですが、時は流れても、なぜか相変わらずこの法案は通らずお蔵入りばかり。Oh,No!

子どもができたときに、母子手帳の名前と父の名前が違うこととなり、このままでは私生児になるやん、と一人息子であった夫の姓に泣く泣く変えて入籍と相成りました。

夫の姓に変えるということの現実は?

ところが、そこからは漫画みたいな行き違いや、面倒臭い事態が次々と降りかかったのであります。広告業界でのキャリアは35年、ずっと旧姓使用を通してきたからなのですが・・・

1)預金口座も夫の姓に変えないといけません。

銀行で例えば山田花子に改姓した私が、「山田さん」と呼ばれても、体(DNA?脳?)が反応しない。窓口の人がカウンターから出て、私の前に立ち「山田さん、あなたを呼んでますよ」と言われて、はぁ?そうでした!と立ち上がる始末。

2)パスポートも戸籍名でしか作られません。

出張や旅行で海外に行くとき、旧姓で仕事をしている都合上、ホテル予約を旧姓で入れていると、チェックイン時にパスポートと名前が違うと言われ、こっちは戸籍名で夫の姓、私は仕事を旧姓でしているのだと英語で説明するのが面倒臭い。長時間飛行機に乗ってやっとたどり着いたホテルでこのやり取りは、ほんとうにしんどいです。しまいには、ファーストネームに私の名前、ミドルネームに夫の姓、ラストネームに私の姓を記入しました。

3)戸籍筆頭者は、自動的に夫の名前になった。(そんなアホな)

結婚して新しく戸籍を作ったら、戸籍筆頭者は自動的に夫の名前になっている。ある日謄本を取り寄せてびっくりした。結婚して姓の変わらない方が筆頭者になるのだとか。

4)住民票の世帯主は、私の名前になった。

私が建てた家に、夫がやってきて同居を始めたので、表札は私の苗字で夫はマスオさん状態だったこともあり、住民票の世帯主は私になった。後に夫が町内会の役員をやることになり、表札は二世帯用に変えたけれど。

 

「選択制夫婦別姓」がダメなら「旧姓併記」にチャレンジ!

とにかく家制度の色濃い日本では、夫婦別姓への民法改正は老政治家の「家族が崩壊する」「墓はどうする」等のむちゃくちゃな意見がまかり通り、女性の選べる権利はないがしろにされがち。それでも働く女性が増えている今、旧姓使用の幅を広げようと2017年に関連法の改正が行われ、2019年11月からやっとマイナンバーカードやパスポートに旧姓併記ができるようになったんです。それなら、やってみない手はないと実行してみました。

1.まずは戸籍抄本(謄本でもOK)をとって、そのまま住民票に旧姓を併記してもらう。

市役所の出先機関に出向いて、住民票に旧姓を併記したいので、その届に必要な戸籍抄本を取りたい!と窓口で告げると、事務所中がざわざわ・・・手続きはどうする?と担当が慌て始める。うちの市は田舎なので、初めての申し出のようで「市役所に問い合わせますね」と言われ、待たされたのちに「住民票への併記はできますので、お手続きしますね」と、あとは市役所と連携しながら住民台帳を変更してもらい、その場で別姓併記の住民票を発行してもらえました。

★ここがポイント  戸籍抄本に掲載の過去の氏から選べるのは1個だけ。再婚を繰り返して、旧姓がたくさんある場合はレアケースだと思うけど、過去の氏から1個を選びます。これは引っ越して、住民票を移す場合も併記名はずっと付いて回ることもお忘れなく。

 

2. マイナンバーカードも旧姓併記タイプを申し込む。

マイナンバーカードにも旧姓併記できるので、身分証代わりに申し込むことにしました。免許証にも旧姓併記ができるようになったのですが、私は免許がないので、今まで写真付きで身分証明するのはパスポートしかなかったこともあり、スマホで自撮りした写真でネット申し込みすることに。住民票を変えたときに、職員の人がマイナンバーカードも作るなら、新しい旧姓併記申し込み用のIDを発行するので、それで申し込んでくださいと申し込み用紙を渡されました。その紙面のQRコードからネット申し込みします。

       

(総務省ホームページより)

★ここがポイント  申し込むときに、自宅に届いているマイナンバーカードの申し込み用紙のQRコードだと、旧姓併記のカード申し込みにはならないので、注意が必要です。私は役所の出先機関で住民票を旧姓併記で取ったときに、旧姓併記のマイナンバー用QRコードを新しく発行してもらいました。近々健康保険証のデータを組み込んで、一元化して使えるようになるようです。縦割り行政の壁を越えてデジタル庁がんばれ!

 

3. パスポートを旧姓併記にする。

パスポートも旧姓併記が取得できるので、10年パスポートの期限が切れる年の申請には実行するつもり。商社マンや研究者など海外渡航の多い仕事をしている女性で、旧姓使用しているケースでは以前からも特例として旧姓併記のパスポートは発行されていたらしいのですが、訪問国のイミグレで2つ姓があるのはなぜだ?とちょっとゴタつくこともあったようです。今回のパスポートへの旧姓併記も、EUやアメリカなど、海外の国々でも認知を広める努力が国に求められます。ヤリッパじゃ、ダメですよね。航空券は、現在もパスポート記載の戸籍名でしか認められていません。

 

4.銀行口座は、三井住友銀行をはじめ都市銀行では、旧姓でもOK!

銀行口座は、旧姓併記の住民票かマイナンバーカードを持参すれば、三井住友銀行などの大手都市銀行では旧姓でも銀行口座は開設できるようになったようです。というのは、私は旧姓使用でずっと仕事をしてきたので、結婚前の口座を1つだけそのままにしているからです。クレジットカードは、システムが煩雑になるとかなんとかで、まだ実現できていません。三井住友で旧姓の口座が作れるなら、提携しているVISAから旧姓でのクレジットカードができればいいですね。携帯電話の契約なども旧態依然としていて、契約には戸籍名の証明が必要となるようです。

最後に

法的に可能なかぎり旧姓併記をしてみましたが、これは併記に他ならず戸籍名ではありません。まったくもって、生まれ育ってきた姓を婚姻時に選ぶ自由が制限されていると言わざるをえません。世界の事情に照らしても、古い家制度のために女性の人権が尊重されておらず、96%が夫の姓に変えています。でもそれを良しと思っていない女性が増えていることも事実です。最高裁の裁判官のたった3人ですが違憲と判断したことで、もっと国会で議論され、夫婦別姓を選択できるようになって欲しい!そうすれば結婚ももっと自由にできるのになぁと思うこの頃です。