大阪のパワースポット犬鳴山でハイキング。聖地に残る切ない義犬伝説とは?

犬鳴山ハイキング七宝瀧寺

関西の霊山(信仰の対象となる山)といえば、滋賀県の比叡山や京都府の鞍馬山などがあげられますが、大阪府にも、国内最古の霊山があるのをご存知ですか?

今回は、今でも修験者の修行の場となっている聖地「犬鳴山」をご紹介します!

聖地「犬鳴山」はこんな場所

先日、大阪府泉佐野市にある犬鳴山へハイキングに行ってきました。

犬鳴山は、661年、修験道の開祖である役行者(えんのぎょうじゃ)が、28歳のときに開基※1したといわれる、関西屈指のパワースポット。
※1 寺院を創立すること。また、創立した人

ハイキングコース内にある、七宝瀧寺(しっぽうりゅうじ)の「行者の滝」では、役行者や弘法大師が修行したと伝えられ、今でも全国から、たくさんの人が禊ぎや修行に来られるそうですよ。

また、一般の方でも修行体験ができるように、毎月第3日曜日には、「一日修行体験」(1人3000円・要予約)も開催されています。

この修行には、女性も参加することができるので、女人禁制の大峰山に対し、犬鳴山は「女人大峰」とも呼ばれているそうです。

この日の私たちの目的は「歩くこと」だったので、修行は申し込まずに、往復約1時間20分のハイキングコースへ。

絶え間なく聞こえる渓流の音や、鳥の鳴き声が耳にここちよく、とてもすがすがしいハイキングとなりました。

それでは、犬鳴山に伝わる伝説や、犬鳴渓流のハイキングコースをご紹介します。

さらに、行者の滝でのちょっとしたハプニングもご紹介しますので、クスッと笑っていただけると嬉しいです。

主人を守るために鳴き続けた義犬伝説

「犬鳴山」と聞くと、なんだかコワいイメージがありませんか?

私は、「真夜中、犬の鳴き声が響き渡る……」みたいな、おどろおどろしい伝説があるのかと思っていました。

けれど、実際の山の名の由来は、そんなものではないんですよね。

ここでは、「犬鳴山」の由来となった、ちょっと悲しい義犬のエピソードをご紹介します。

【犬鳴山の義犬伝説】

890年、紀伊の猟師が愛犬を連れて山に入り、一匹の鹿を追っていました。

猟師が鹿に狙いを定め、矢を射ようとしたそのとき、愛犬がけたたましく吠えはじめました。

犬の声に驚いた鹿は逃げてしまい、猟師は怒って、腰の刀で、まだ吠え続けている愛犬の首を切りつけました。

切りつけられた愛犬はなおも吠え続け、大樹に隠れて猟師を狙っていた大蛇の頭にとびかかり、大蛇とともに死んでしまいました。

事の成り行きを知った猟師は、自分の命を救って死んだ愛犬を丁重に葬い、七宝瀧寺の僧となって、愛犬を弔いながら余生を過ごしました。

後に、この話を聞いた宇多天皇は、「報恩の義犬よ」と褒めたたえ、当時の「一乗鈴杵ヶ岳」を改め、「犬鳴山」と勅号を与えたと伝えられています。

……悲しいけれど、なんだかあたたかいような、不思議なお話ですね。

愛犬は命を落としたけれど、最後に主人を守れたことで、ホッとしているのではないでしょうか。

「愛犬、実はめっちゃ怒ってるんじゃない?」と思う方は、ぜひ犬鳴山へ行ってみてください。

今でも荒れることなく、大切に祀られている愛犬のお墓を見ると、「少なくとも、今は怒っていないんじゃないかな」と感じるかもしれませんよ。

それでは次に、その愛犬のお墓を含めた、犬鳴山のハイキングコースをご紹介します。

犬鳴山のハイキングコース紹介

犬鳴山のハイキングコースは、渓流沿いで木陰が多く、夏でもひんやりと涼しい散策路となっています。

近所の方の散歩道にもなっているようで、軽装の方や、犬の散歩で来られている方もいました。

この日は水曜日でしたが、水曜日は渓谷入口にある犬鳴温泉センターがお休みなので、観光客はとても少なかったです。

ハイキングコースのスタート地点は、南海ウイングバス南部「犬鳴山」バス停から10分ほど歩いたところにある犬鳴山の参道入口。

「これより霊域」とあり、気が引き締まります。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース

ハイキングコースの所々に、わかりやすい案内板があるので、確認しながら進みましょう。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース

犬鳴山には7つの滝があり、まもなく一つ目の「両界の滝」が見えてきます。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース 両界の滝

参道沿いには石仏や祠がたくさん並び、歩くほどに、聖域であることを実感します。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース

犬鳴山には、義犬伝説以外にも、たくさんの伝説や逸話、由緒があり、案内版でわかりやすく説明してくれています。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース

七宝瀧寺の瑞龍門からは、一段と厳格な雰囲気に。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース 瑞龍門

高野山の奥の院の雰囲気と、少し似ていると感じました。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース

少し進むと、赤い橋が見えてきます。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース

ここは、左右の分かれ道になっていますが、ハイキングコースは、右側にあるこの赤い橋を渡り、七宝瀧寺へ向かいます。

さらに歩くと、義犬のお墓が。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース

木漏れ日があたる小高い場所にあり、参拝者を見守ってくれているようですね。

伝説がどこまで本当なのかはわかりませんが、伝説の元になるような逸話や、モデルとなった忠犬がいたのかもしれないなぁ……、などと想像しながら、ゆるゆると歩きます。

しばらく行くと、正面に長い階段があり、それを上って七宝瀧寺の本殿へ。お参りをして裏口から出ると、行者の滝へと続く道があります。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース

いよいよ、ハイキングコースの折り返し地点「行者の滝」です。

日によっては、行者の方が滝行をしているところが見られるそうですよ。

この日は、滝にうたれている方はいませんでしたが、前日までの雨で水量が増し、滝の見応えは十分です。

ご本尊に手を合わせ、お堂の裏の滝を見に行きましょう!

行者の滝にたどり着けなかったわけとは?

行者の滝の参拝は、お堂の横を通り、裏の橋へ移動します。

お堂の横へまわるとお金を入れる箱があり、「滝管理協力費50円」という案内が。

「たった50円でいいのか」「2人だから100円ね」と、財布を見ると、小銭が78円しかない。

一緒に行った人に、「ごめん、足りない分だして」と財布を見てもらうと、なんと。

財布にあるのは21円。

合計99円って……。

こんなとき、皆さんならどうしますか?

【アクション その1】
たった1円足りないだけだし2人で入っちゃう!

【アクション その2】
50円はあるんだから1人だけ入る

【アクション その3】
2人ともあきらめる

ちなみに、千円札はあったんですよ?あったんですけどね。それを入れるという選択肢にはつながらず……。

結論。

「役行者さんが、またおいで、って言ってくれてるんだよ」ということで、今回は2人とも入らず、手前からの参拝のみで終了しました。

手前から必死で撮影した行者の滝の写真です。

犬鳴山 渓流 ハイキングコース

前日の雨で水量が増しているので、手前からでも十分迫力があります。

でも、近くで見たら、もっとすごかったんだろうな~、とか。

お堂の後ろからチラ見えしている役行者の坐像が切ない……。

次回は、ちゃんと50円×人数分を用意して、必ずまた来よう!と思いました。

まとめ

いかがでしたか?

□犬鳴山はコワい山ではなく優しい伝説のある聖域
□ハイキングコースは夏でも涼しい渓流沿いの参道
□行者の滝へは1人50円が必要(←大事)

以上のことをお伝えしました(笑)

犬鳴山には、お伝えしきれなかった霊験あらたかな神仏がたくさん祀られています。

ハイキング目的でも、参拝目的でも、ぜひ一度、訪れてみてくださいね!

【犬鳴山データ】
《住所》
〒598-0023 大阪府泉佐野市大木
《アクセス》
・南海本線「泉佐野駅」下車
→南海ウイングバス南部「犬鳴山」下車
・JR阪和線「日根野駅」
→南海ウイングバス南部「犬鳴山」下車
《ハイキングコース》
往復約3km、歩行約1時間20分
参道として整備され歩きやすい

【出典】
犬鳴山 七宝瀧寺 ホームページ

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