グリーンセイバーとは、植物だけでなく、生態系や自然保護などの知識をもち、自然と調和した社会づくりに貢献できる人のこと。
今回は、グリーンセイバー歴20年の筆者が、グリーンセイバーの資格の取り方や、検定試験に合格したあとの仕事、ボランティア活動についてご紹介します!
グリーンセイバーで学ぶ内容は、植物や自然保護活動に興味のある方はもちろん、アウトドア好きの方も楽しめるものがたくさんあるんですよ。
職業にかかわらず、森づくりや里山保全、登山やキャンプなどの外遊びに興味のある方は、ぜひ、グリーンセイバー資格検定にチャレンジしてみませんか?
目次
グリーンセイバーの資格とは?
まずは、グリーンセイバーの資格の内容、試験の出題形式、検定試験の日時など、グリーンセイバー検定試験の基本情報についてご紹介します。
グリーンセイバーの概要
【検定試験の目的は?】
植物や生態系の知識をもち、自然と調和した持続可能な社会づくりに貢献できる人材を育成すること
【どこが主催?】
非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会
◆東京事務局:東京都千代田区
◆大阪事務局:大阪府交野市
【検定制度はいつから?】
1998年から
【資格の種類は?】
以前は、「ベーシック(基礎)」「アドバンス(応用)」「マスター(指導者)」の3ステップ。
2020年度より新制度が導入され、ベーシックとアドバンスの代わりに、「ネイチャー」と「カルチャー」という科目に変更。
ネイチャーとカルチャーは、どちらを先に取得してもよい。また、同時に受験することも可能。
両科目を取得するとマスターの受験資格が得られるところは以前と同じ。
【受験料は?】
・ネイチャー:¥5,000-
・カルチャー:¥5,000-
・マスター :¥8,000-
※ 2020年11月現在
【申し込み方法】
ホームページから申し込み
◆グリーンセイバー検定 各種申込
ネイチャー、カルチャーで学ぶ項目の内訳は、ベーシック、アドバンスの頃とは、少し変更されているようですね。
次は、各テキストの内容と価格、試験の出題形式などについてご紹介します。
グリーンセイバーで学ぶ内容
新しいテキストの内容は、それぞれ以下のとおりです。
【ネイチャー】
『植物の基礎と生態系を学ぶ』
1.植物のつくり、育ち方など
2.生態系や森の構造など
3.生物多様性や外来種など
4.地球の誕生や生物の分類など
【カルチャー】
『人と自然のかかわりを学ぶ』
1.植物の肥料や病害虫など
2.衣類や農耕など植物のめぐみ
3.里山保全や持続可能な社会など
4.環境基本法や種の保存法など
【マスター】
『みどりと語り合う人になろう』
1.環境倫理や自然保護の法則など
2.生態系の修復や絶滅危惧種の保全など
3.植生調査や植生図の見方など
4.環境問題や循環型社会など
それぞれのテキスト価格は、
・ネイチャー:¥2,640-(税込)
・カルチャー:¥2,640-(税込)
・マスター :¥2,840-(税込)
です。
※ 2020年11月現在
テキストは、樹木・環境ネットワーク協会のホームページから購入することができます。
過去の問題集(1冊¥300-)もあるので、あわせて購入しておくと、試験勉強がしやすくなりますよ。
なお、ネイチャー、カルチャーともに、ホームページで正誤表が掲載されていますのでご確認ください。
試験の形式は、ネイチャー、カルチャーは、テキストの中から選択式で出題、マスターは、小論文を含む記述式で出題されます。
「どんなふうに勉強を進めたらいいんだろう?」など、不安や疑問がある場合は、事前におこなわれる、グリーンセイバーの無料ガイダンスや、有料セミナーを受けてみてはいかがでしょうか。
次は、それらの日程について、ご紹介します!
グリーンセイバー検定試験のスケジュール
2020年度の、グリーンセイバー検定試験に関連したスケジュールは、以下のとおりです。
◆3月 無料ガイダンス(東京)
◆4月 無料ガイダンス(大阪)
◆4月 無料ガイダンス(埼玉)
◆5月 ネイチャーセミナー(東京)
◆7月 カルチャーセミナー(東京)
◆8月 ネイチャー検定試験(東京・大阪・岡山)
◆8月 カルチャー検定試験(東京・大阪・岡山)
◆10月 ネイチャー、カルチャー合格発表
◆11月 スタートアップ講座
◆11月 マスターセミナー
◆2月 マスター検定試験
◆4月 マスター合格発表
受験会場については、樹木・環境ネットワーク協会のホームページで、「実施してほしい場所があれば事務局までお知らせください※」との記述がありました。
※ 2020年11月現在
希望者の人数によっては、柔軟に対応してくれるのかもしれませんね。
九州や東北など、試験会場がない地域にお住まいで、グリーンセイバーの受験をお考えの方は、「近くにも試験会場を開設してほしい!」と、どんどん声をあげちゃいましょう!
グリーンセイバーに合格したら
ここからは、グリーンセイバーに合格した後の仕事や、ボランティア活動についてご紹介します。
樹木・環境ネットワーク協会が開催している里山保全フィールドなら、合格前、または受験の予定がない方でも、ボランティアとして参加することができるので、そちらもあわせてご覧ください!
グリーンセイバーの仕事の現状
グリーンセイバーの資格に関心のある方なら、資格を取得したあとの仕事も気になるのではないでしょうか。
グリーンセイバーたちの現状は、グリーンセイバーとして仕事に就く、というよりは、何か仕事をもちながら、環境保全団体などに所属し、休日に、森林イベントや里山保全活動などに参加することが多いようです。
もちろん、それらの活動の延長で、植物や環境保全などの仕事につながることもありますよ。
わたしは、ボランティアで里山保全活動に参加していたことで、主催している環境保全団体の広報活動をお手伝いするようになりました。
また、植物に関わる仕事で次々と採用されたのも、実は、グリーンセイバーの資格のおかげなんですよ。
次は、植物の知識が浅かったわたしが、どのようにして植物関連の仕事の面接を突破してきたのかをご説明します!
グリーンセイバーの知識を仕事に繋げるコツ
わたしが初めてガーデニングセンターの面接に応募したとき、植物を育てた経験は、ほとんどありませんでした。
しかも、グリーンセイバーの勉強は始めていたものの、検定試験の前だったので、資格もありません。
けれど、どうしても採用して欲しかったので、面接にはグリーンセイバーのテキストを持込み、勉強中であることを説明しました。
面接官だった店長が、テキストを見てその内容に興味を持ってくださり、なんと、その場で採用が決定!
繁忙期のガーデニングセンターで、本当に多くのことを勉強させていただきました。
ガーデニングセンターでの勤務歴があることで、次に応募したホームセンター園芸部門の面接でも、「くわしい人が来てくれると助かる!」とすぐに採用。
さらに、造園事務所への転職の際も、面接でグリーンセイバーの話をしましたが、このときはなぜか、検定試験を主催している「樹木・環境ネットワーク協会」の話で盛り上がり、その場で採用をいただきました。
グリーンセイバーの資格自体は、知らない人が多いようですが、そこで学んだ内容を説明すれば、「植物や環境問題に大いに興味がある」ということは十分に伝わります。
植物関連の仕事に応募するなら、その面接でばくぜんと「植物が好きで……」と伝えるよりも、グリーンセイバーのテキストを見せて、「こんな勉強をして試験に合格しました!」とアピールするほうが、面接官に実力と熱意が伝わるのではないでしょうか。
グリーンセイバーの豊富な活動フィールド
樹木・環境ネットワーク協会では、資格取得後のグリーンセイバーの活動の場として、多くの里山保全フィールドを展開しています。
各フィールドでは、植生調査や森林整備のほか、シイタケ栽培、カブトムシの育成、竹細工など、子どもたちでも楽しめる作業もあるので、家族や友人、職場の仲間など、誰とでも一緒に参加することができますよ。
また、大阪府の「交野森フィールド※」など、森を育てているフィールドなら、キャンプや野営、登山など、アウトドアが好きな方も楽しめるのではないでしょうか。
※ 交野森フィールドのページ
野営にピッタリの景観なので、思わずテントやハンモックを持っていきたくなるかもしれませんね。
どのフィールドも、特殊な技術を要するようなむずかしい作業はありませんので、森の植物や生きものの生態を知るためにも、まずは気軽にボランティアに参加してみてはいかがでしょうか。
里山保全のボランティアには、いろんな職業の方が参加しています。
よいご縁があり、ご自分にピッタリの仕事や活動につながるといいですね!
まとめ
いかがでしたか?
今回は、グリーンセイバーの検定試験の受験方法、合格後の活動などについてご紹介しました。
「グリーンセイバーの職業」、といえるものはありませんが、資格を取得することで、植物が「好き」なだけではなく「きちんと勉強した」ことが証明されます。
学習内容には、人と自然が共存するうえで大切なことがたくさん含まれていますので、植物の仕事をするかどうかにかかわらず、植物、里山保全、アウトドアなどに興味のある方は、ぜひ、資格取得にチャレンジしてみてくださいね。
登山やキャンプに出かけたとき、見える景色が、少~し変わるかもしれませんよ!
【データ】
非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会
関西聚(樹木・環境ネットワーク協会関西支部)
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